伊藤博之事務所の業務備忘録

業務に関連した専門情報に特化しています。主に登記の書式、先例、通達等。

内容はあくまで個人的な備忘録ですので、内容・言葉(文字)の正誤等において不正確・不鮮明な場合があります。 参考にする場合は自己責任でお願いします。 (出典等についてチェックしないまま記載している場合あり)

租税特別措置法の一部改正(延長)

【概要】

1、租税特別措置法第84条の2の3

  相続に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置

 適用対象となる登記の範囲に、表題部所有者の相続人が受ける土地の所有権の保存登記を加えた上、その適用期限を1年延長

 (令和4年3月31日まで) 

※内容については 

少額(10万円以下)の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置

 

2、以下の租税特別措置の適用期限の2年延長

 (令和5年3月31日まで)

① 土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置

 (租税特別措置法第72条関係)

② 利用権設定等促進事業により農用地等を取得した場合の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置

 (租税特別措置法第77条関係)

③ 信用保証協会等が受ける抵当権の設定登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置

 (租税特別措置法第78条関係)

④ 農業競争力強化支援法に規定する認定事業再編計画に~(以下省略)

 (同法第80条関係)

⑤ 認定民間都市再生事業計画に基づき~(以下省略)

 (同法第83条関係)

⑥ 特定目的会社が資産流動化計画に基づき~(以下省略)

 (同法第83条の2の3関係)

⑦ 特定事業者等が不動産特定共同事業計画により~(以下省略)

 (同法第83条の3関係)

司法書士が別々の場合のオンライン連件登記申請

※備忘録として…

 

(例)

1件目 代理人司法書士Aで所有権移転登記、

2件目 代理人司法書士Bで抵当権設定登記で

オンライン連件申請

 

1件目 所有権移転登記申請書

その他事項欄

「本件所有権移転登記と、令和〇年〇月〇日付で

後に申請される抵当権設定登記(代理人司法書士B)

とは連件扱いとされたい。」

 

2件目 抵当権設定登記申請書

その他事項欄

「本件抵当権設定登記と、令和〇年〇月〇日受付

第〇〇号(代理人司法書士A)の所有権移転登記

とは連件扱いとされたい。」

 

 

司法書士が異なる申請が当日中に申請できない

(別日の申請となる)場合は、連件申請の取扱い

がなされない

 

 

(民法改正)相続による権利承継の対抗要件

令和2年度の司法書士試験の記述式にも出題

実務においても関わる部分は大きい

 

相続法の改正 2019年(令和元年)7月1日~施行

民法第899条の2(新設)

 

(共同相続 における権利の承継の対抗要件対抗要件

第899条の2 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第901条の規定により算定した相続分を超える部分については登記登録その他の対抗要件を備えなければ三者に対抗することができない

2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第901条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。

 

(事例)

特定の相続人に特定の遺産を「相続させる」趣旨の遺言により特定の土地の所有権を取得した相続人(D)は、第三者である相続人(C)の債権者に対して、登記なくして土地の所有権の取得を対抗することができない。

 

 

施行時期

2019年7月1日以後に開始した相続に関して適用

(同日前に開始した相続については改正前の取扱いとなる)

※2019年6月以前に遺言書が作成されても、2019年7月以降に相続が発生した場合については、改正899条の2が適用される

 

異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について

異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について(通知)

(平成30年3月16日付法務省民二第137号)

平成30年3月9日不登第52号(照会)

甲不動産の所有権の登記名義人Aが死亡し、その相続人B、C及びDによる遺産分割協議が未了のまま、更にDが死亡し、その相続人がE及びFであった場合において、B及びCがE及びFに対してそれぞれの相続分を譲渡した上で、EF間において遺産分割協議をし、Eが単独で甲不動産を取得することとしたとして、Eから、登記原因を証する情報(不動産登記令(平成16年政令第379号)第7条第1項第5号ロただし書、別表22の項添付情報欄)として、当該相続分の譲渡に係る相続分譲渡証明書及び当該遺産分割協議に係る遺産分割協議書を提供して、「平成何年何月何日(Aの死亡の日)D相続、平成何年何月何日(Dの死亡の日)相続」を登記原因として、甲不動産についてAからEへの所有権の移転の登記の申請があったときは、遺産の分割は相続開始の時にさかのぼってその効力を生じ(民法(明治29年法律第89号)第909条)、中間における相続が単独相続であったことになることから、他に却下事由が存在しない限り、当該申請に基づく登記をすることができると考えますが、いささか疑義がありますので照会します。

異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について(回答)

不登第52号をもって照会のありました標記の件については、貴見のとおり取り扱われて差し支えありません。

 

条件

①中間相続人は1人

②相続分譲渡の譲受人は相続人以外の第三者ではないこと

③相続分譲渡の後に遺産分割協議がなされたこと

 ↓

異次順位の相続人間で相続分の譲渡がされた場合でも

共同相続登記がされていなければ

最終の遺産分割協議によって取得した相続人に直接相続登記が可能

 

 

〔この場合の遺産分割協議書例〕

被相続人亡Cの遺産につき、相続人F及び相続人Eは、次のとおり分割することに合意する。

1 相続人F及び相続人Eは、被相続人の相続人が自身ら2名と、下記の2名の計4名であったこと、下記の2名がそれぞれの相続分を相続人Fに譲渡したこと、

その結果、本件遺産分割の当事者が相続人F及び相続人Eの2名であることを確認する。

      記

(1) 住所

  氏名 G

(2) 住所

  氏名 H

2 相続人Fは、次の遺産を取得する。

 (以下略)

 

 

 

 

 

管轄外への本店移転の登記申請があった場合における登記すべき事項の取扱いについて

(平成29年7月6日付法務省民商第111号法務省民事局商事課長通知)

本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請書に記載すべき登記すべき事項は、商業登記法第53条規定する事項(ただし、「会社の成立年月日」を除く。)で足り、その他の事項の記載を省略して差し支えない

 

商業登記法第53条
 
 新所在地における登記においては、会社成立の年月日並びに本店を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。
 
 ↓
本店を他の登記所の管轄に移転した場合、
新所在地における登記の申請書に記載する登記すべき事項
本店を移転した旨及びその年月日」で足りる
 

合筆・合併後の抵当権抹消の登記識別情報

〔合筆・合併後の抵当権抹消の登記識別情報〕

共同担保物件について土地の合筆又は建物の合併があった場合、

抵当権抹消登記で提供すべき登記識別情報は?

 

担保権の登記がある土地又は建物について合筆の登記又は建物の合併の登記がされた後、当該担保権の登記名義人を登記義務者として登記の申請をする場合に提供すべき登記識別情報は

 ↓

合筆の登記又は建物の合併の登記後に存する土地又は建物の登記記録に記録されている担保権の登記名義人についての登記識別情報で足りる

(平成19年10月15日付法務省民二第2205号 通知)

 

(事例)

抵当権付きの土地を分合筆、

1番1、2番1、3番1の受付年月日・受付番号が同一である共同担保の抵当権付きの土地を合筆

 ↓

1番1、1番5、1番6に分筆

 

1番6の土地に設定された抵当権を抹消する場合

提供する登記識別情報は1番1、2番1、3番1の土地に対する

抵当権設定時の登記識別情報か?

(合筆前の土地に設定された抵当権の登記識別情報全部必要?)

 

(結論)

1番1の土地に対する抵当権設定の登記識別情報で足りる

2番1、3番1の土地に対する抵当権設定の登記識別情報の

提供は不要

 

『抹消登記申請MEMO』青山修著 新日本法規 98P

(平成29年発行)