役員に関する登記の申請書の添付書面に関する改正(H27.2.27施行)
役員に関する登記の申請書の添付書面に関する改正
株式会社
取締役、監査役又は執行役の就任を承諾したことを証する書面に関す
る改正(規則第61条第5項及び第103条第3項関係)
規則第61条第5項
設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)
による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立
時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項において「取締役
等」という。)が就任を承諾したことを証する書面に記載した氏名
及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その
他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等が原本と相違が
ない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。
ただし、登記の申請書に第二項(第三項において読み替えて適用され
る場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市
区町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
これにより、取締役及び監査役に新たに就任した者については、
その就任承諾書若しくは就任を承諾した旨の記載の
ある議事録においては、
就任者の氏名だけでなく、住所も記載しなければならない。
+
その者についての本人確認証明書(住民票の写し等)の添付が必要
登記した日に住所移転したときは、住所変更登記か住所更正登記か
所有権の登記日(受付日)に住所移転した場合
(事例)
土地建物を買主が購入、平成27年8月31日売買による所有権移転、
登記受付日平成27年8月31日(買主の住所が旧住所)で、
買主が平成27年8月31日、購入した建物所在の住所に移転した。
この場合、登記された住所を新住所に直す手続きは、
変更登記によるべきか更正登記によるべきか?
変更登記によるとする見解と、
変更登記または更正登記のいずれでもよいとする見解とがある。
結論
↓
住所変更登記であれば、文句はあるまい…
みなし解散の登記(その2) 平成26年度休眠会社・休眠一般法人の整理作業
休眠会社・休眠一般法人の整理作業の流れ
① 休眠会社
(平成14年11月17日以降に登記がされていない株式会社)
② 休眠一般法人
(平成21年11月17日以降に登記がされていない一般社団
法人又は一般財団法人)
①、②の会社等が対象
平成26年11月17日 法務大臣の通知、公告
↑
(2か月間)
↓
平成27年1月19日までに、事業を廃止していない旨の届出又は
登記(役員変更等)をした場合、存続
しない場合は、平成27年1月20日、みなし解散の登記
(登記官が職権で行う)
なお、みなし解散の登記後3年以内に限り、
① 解散したものとみなされた株式会社は、株主総会の特別決議
によって、株式会社を継続
② 解散したものとみなされた一般社団法人又は一般財団法人は、
社員総会の特別決議又は評議員会の特別決議によって、法人
を継続
することができる。
継続したときは、2週間以内に継続の申請をする必要あり。
みなし解散登記から3年後には、職権で、「清算結了登記」がされ、
会社が完全に消滅する。
みなし解散の登記(その1) 平成26年度休眠会社・休眠一般法人の整理作業
休眠会社・休眠一般法人の整理作業について(平成26年度)
休眠会社又は休眠一般法人について、法務大臣による公告及び登記所
からの通知を行い、公告から2か月以内(平成27年1月19日(月)
まで)に「まだ事業を廃止していない」旨の届出又は登記(役員変更
等の登記)の申請をしない限り、解散したものとみなされ、登記官が
職権で解散の登記をする。
(平成26年11月17日(月)の時点で下の①又は②に該当する会社等が対象)
休眠会社・休眠一般法人とは
① 最後の登記から12年を経過している株式会社(会社法第472
条の休眠会社。特例有限会社は含まれない。)
② 最後の登記から5年を経過している一般社団法人又は一般財団法
人(公益社団法人又は公益財団法人を含む)
をいう。
12年以内又は5年以内に登記事項証明書や代表者の届出印の印鑑
証明書の交付を受けていたかどうかは、関係なし。
特例有限会社における「代表取締役の氏名抹消」の登記
1)取締役が1名となった場合
〈事例〉
取締役A
取締役B
の役員において、取締役Bが辞任(または死亡,etc.)
登記の事由 取締役の変更
代表取締役の氏名抹消
登記すべき事項
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「住所」○○県○○市○○町○○○○
「氏名」B
「原因年月日」平成○○年○○月○○日辞任
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「氏名」A
「原因年月日」平成○○年○○月○○日取締役が1名となったため氏名抹消
2)取締役の全員が各自代表となった場合
〈事例〉
取締役A
取締役B
の役員において、取締役Bが代表取締役に選任
登記の事由 代表取締役の氏名抹消
登記すべき事項
「役員に関する事項」
「資格」代表取締役
「氏名」A
「原因年月日」平成○○年○○月○○日会社を代表しない取締役の不存在により氏名抹消
会計限定監査役と会社法426条1項の責任免除規定の関係
取締役等の責任免除の定款規定
取締役等の職務遂行上の任務懈怠の損害賠償責任につき、
取締役の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては取締役会の決議)
により、一定程度、責任を免除することができる旨を定款で定める
ことができる。
↓
この場合の責任免除規定を設定する会社は、
取締役が2名以上であり、かつ監査役設置会社であることが必要
(会社法426条1項)
会社法2条9号より、
監査役設置会社に会計限定監査役(その監査の範囲を会計に関する
ものに限定する旨の定款の定めがある)の会社は該当しない。
よって、第426条第1項の責任免除の規定の(登記の)ある会社は、
監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めはできない。
(よって会計限定監査役の登記もできない)
監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の定款の定めをする場合は、
第426条第1項の責任免除規定の廃止も併せてしなければならない。
その逆のパターンも同様。
会計限定監査役の会社は、第426条第1項の責任免除規定を設定できない。
成人した者同士の養子縁組届
(事例)
1)三波A郎さんと三波B子さんが夫婦
2)島田C助さんと島田D美さんが夫婦
島田E夫さんがその夫婦の子
(島田さん親子は同じ戸籍に入籍・戸籍筆頭者は島田C助)
3)島田D美さんは三波A郎さんと三波B子さんの娘
今回、当事者全員が成人している状況で、島田C助さんが、
三波A郎さんと三波B子さん夫婦の養子となる養子縁組(婿入り)
したいとのこと。
養子縁組届を提出する
・届出人…養親と養子
・届出先…養親もしくは養子の本籍地または届出人の住所地・所在地の
いずれかの市区町村
・20歳以上の証人2人の署名が必要
養子縁組後の戸籍
1)島田C助さんにつき、養親である三波姓の新戸籍が編成される
島田C助→三波C助(戸籍筆頭者)
2)さらに養子の配偶者である島田D美さんも夫に伴って新戸籍に入籍する
(随従入籍という)
姓も当然に島田D美→三波D美に変わる
3)養子の子である島田E夫さんは当然には入籍しない。
島田C助の戸籍に残ることになる。
なので姓が島田E夫→三波E夫に当然に変わるわけではない。
→島田E夫さんを新戸籍の三波C助(戸籍筆頭者)戸籍に入籍させるには…
別途、入籍届を提出する必要あり。